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僕たちは、イスタンブールに行くための最高にリッチな手段として
ヒッチハイクを選びました。
これ書いたの僕なんですけど、「ISTANB」まで調子にのって書きすぎたために、「UL」に非常に窮屈な思いをさせてしまったことは否めません。
ヒッチハイクでイスタンブール行くって言ったら、
ラム子の食堂のラム子さんが「えっ!?まじ?遠っ!!!!」って言って、
餞別としてバナナくれました。
バナナっていうチョイスが、よい。優しい。
ありがとうございます!!
僕らは早速、凄い勢いでヒッチハイクを始めました。
因みに僕のこのヒッチハイクのフォームは、業界でも随一の美しさであり
「月刊ヒッチハイクマガジン」でスローモーションで連続フォーム特集が組まれるレベルです。
一応ここで、今回の距離感の確認をしておくと、
およそこれぐらいのロングウェイです。
距離にして626キロ。東京大阪間が500キロぐらいなので、
えーとなんていうか遠いです。
まぁいくらロングウェイといえど、僕とトミーというヒッチハイクの申し子がペアを組んでる状態なので、
車、余裕で止まる気しかしないです。
2分で、イスタンブール行きの車止めてみせます。
トミー「とまんないっすね。場所移動しましょう」
ホントは中間都市ぐらいに目的地を設定した方が絶対に良いものの、
イスタンブールまで直行という欲張りまんぷくプランをチョイスした為に
まじで車止まらないという現実に襲いかかられる形になりました。
近くのガソスタで、休憩です。
もぉ休憩でもしないとやってらんないわよ!!ぺっ!!ぺっ!!!!
日本からの旅人だというと、店員さんが何も言わずに
お菓子と紅茶をもってきてくれました。
「いくらでも休んでいって大丈夫だからね!車、みつかるといいね。」
って。トルコ人ほんとむっちゃ優しい。ビビる。
コスモ石油のCMばりに心も満タンになった僕たちは、
ヒッチを再開します。
すると、やはり心が満タンになった僕たちのスマイルは驚異的だったようです。
再開して、2分で車止まりました。
3ヶ月ぶりに無人島から帰ってきた竹岡先輩(僕の高校のテニス部の先輩)のような風貌をしているトルコ人がとまってくれました。
名前は、ジェームズ。
ジェームズ、止まってくれたのはいいんですけど1つだけ問題がありました。
英語、ガチで話せなかったんですよ。
ただ、そこは今まで何十カ国もの国の人とコミュニケーションをとってきた、コミュニケーションモンスターの美山です。
身振り手振りで、完全に意思疎通をとることに成功しました。
ジェームズ曰く、イスタンブールまでは行かないけど近くの「アフロン」という街まで行くといます。
アフロン、イスタンブールまでの中継地点としても、名前の響き的にも完璧でした。
アフロンまでいけば、もうこのヒッチは成功したも当然です。
僕らは、途中で英語で話すことに全く意味がないことに気付き、
ジェームズがトルコ語で話しかけてくるのに対し僕らは日本語で返すという、人智を超えた究極のキャッチボールをしていました。
でも、やはりそこは人対人です。
言葉なんて分からなくても、通じ合えるものなんですよ。
今回の場合、「アフロンまで行く」というお互いの認識さえしっかりしてれば、オールオッケーなわけです。
アフロンに向かう道の分岐点を過ぎたあたりで、なんか若干方向が違ってる気がしたんですね。
念のため現在の位置確認と、何時ぐらいにアフロンに着きそうかジェームズに聞いてみたんですよ。
すると、驚愕の返事が何故か急に英語で返ってきました。
「アー、Afron?
I will not go to Afron.」
(私はアフロンに行きません)
え、アフロンってなんのこと?ぐらいのレベルでしたからね。そおですかうんうんううんってうおおおおおおいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!
ビビるぐらい意思疎通とれてないやんけ!!!!
てか英語少しは話せるんかい!!何で今までオールトルコ語やねん!!!!!!!!!
もう日も暮れてきてしまっているし、僕たちは熟考した結果、
途中の「チャイ」という街で降ろしてもらうことにしました。
どこか泊まるところを探すから、ココで大丈夫だよ!ありがとう!と僕らが去ろうとすると、
ジェームズ、なんかむっちゃ親切だったんですよ。
僕らを引き止めて、友達に電話するからちょっと待っててって言うんですよ。
そこまでして、僕らになにかしてくれようとしているのだと。
僕らは全米が震撼するレベルで感動しました。
申し訳ないから、いいよ!と言っても、どうしても!!というカンジだったのでありがたく待ってたんですね。
いや、まじで友達との電話激しかったんですよ。
何回も「ジャパン」「イスタンブール」っていう単語が出てきて、
ジェームズまじでどんだけいいやつなんってなるじゃないですか。
で、何やら結論が出たっぽかったんですよ。
すると、その電話してたジェームズの友達が英語話せる人だったので
ジェームズが何と言っているのか教えてくれたんですね。
友達が他の場所まで送ってくれるとか、なんかそっち系なのかなーって思ったら、
「彼(ジェームズ)は君のiPhoneを売ってくれないかと言っている。」
ちょ、話ビビるぐらい違う!!!!
俺らヘルプする気とか全然ない!!!!
ジェームズ、iPhone欲しくて僕らを引き止めてたみたいです。
お茶目。
最後はあれだったけど、途中まで乗せてくれてありがとう!!
この、何もなさすぎてウケる町「チャイ」に夜に取り残された僕たちは、
長いヒッチハイク人生の中でも最大のピンチを迎えました。
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